朝晩の空気がひんやりとして、秋の深まりを感じる季節になりました。吹田市は万博記念公園の緑や大学のキャンパスがあり、通勤・通学に便利な街として、転勤や進学をきっかけに住まいを考える方が多い地域です。
この時期は年末や年度末に向けて、「そろそろ今の部屋を出て住み替えを」と考え始める方も増えてきます。
ミライズ吹田店でも「退去のときに、どこまで修理費用を払う必要があるのか不安」というご相談を多くいただきます。せっかく新生活に向けて動き出すなら、退去費用の不安はできるだけ小さくしておきたいですよね。
今回は、国土交通省がまとめている「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の考え方をもとに、退去時の原状回復の基本をわかりやすくご紹介します。
★ 原状回復は「入居したときの状態に戻すこと」ではありません
「原状回復」と聞くと、「借りたときのピカピカの状態に戻さなければいけない」とイメージされる方も多いのではないでしょうか。実は、ガイドラインの考え方は少し違います。
ガイドラインでの原状回復の定義
ガイドラインでは、原状回復とは「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」とされています。
つまり、普通に暮らしていて自然に傷んだ部分まで、借主さまが元に戻す必要はないという考え方です。
経年変化・通常損耗の修繕費用は家賃に含まれる
時間の経過による劣化(経年変化)や、普通に使っていて生じる傷み(通常損耗)の修繕費用は、毎月の家賃に含まれるものと考えられています。
2020年4月に施行された改正民法でも、借主の原状回復義務から「通常の使用及び収益によって生じた損耗」と「経年変化」は除かれることが明記されました。
★ 貸主負担・借主負担の目安を知っておきましょう
では、具体的にどのようなものがどちらの負担になるのでしょうか。ガイドラインや業界団体の解説で挙げられている代表的な例をご紹介します。
貸主負担になりやすいもの(通常損耗・経年変化)
- 日照による畳やクロスの変色
- 家具の設置による床のへこみ
- テレビ・冷蔵庫などの後ろの壁の黒ずみ
- ポスターなどを貼るための画鋲・ピンの穴
- 設備機器の経年劣化・寿命による故障
借主負担になりやすいもの(通常の使い方を超える傷み)
- タバコのヤニ・臭い
- ペットによるキズ・臭い
- 壁のくぎ穴・ネジ穴
- 落書きなど故意による汚れ・破損
- お手入れ不足で広がった台所の油汚れ
- 結露を放置したことで広がったカビ
【これからの季節のワンポイント】
秋から冬にかけては、窓まわりの結露が気になり始める時期です。結露をこまめに拭き取り、換気を心がけるだけでも、カビの広がりを防ぎやすくなります。日々のちょっとしたお手入れが、退去時の安心につながります。
「経過年数」も考慮されます
借主さまの負担になる場合でも、修繕費用の全額を負担するとは限りません。ガイドラインでは、設備などの経過年数に応じて負担割合を考える方法が示されています。
たとえば壁のクロスは耐用年数を6年として考え、年数が経つほど借主さまの負担割合は小さくなり、6年を過ぎると残存価値は1円(ほぼ0%)とされています。
なお、フローリングの部分補修や、襖紙・障子紙・畳表といった消耗品は、経過年数の考え方になじまないとされている点もあわせて知っておくと安心です。
★ 入居時からできる、退去トラブルを防ぐ3つの備え
原状回復のトラブルを防ぐポイントは、実は「入居したとき」にあります。お部屋探しの段階から意識しておきたいことをまとめました。
1. 契約書の「特約」を確認する
賃貸借契約には、ハウスクリーニング費用などを借主さまが負担する「特約」が付いている場合があります。ガイドラインでは、特約が有効となるためには、借主さまがその内容を理解し、明確に合意していることなどが必要とされています。
ご契約前の重要事項説明の際に、特約の内容や費用の目安をしっかり確認しておきましょう。気になる点は遠慮なくご質問ください。
2. 入居時に写真を撮っておく
ガイドラインでも、入居時に物件の状態を確認してリストに記録し、もともとあったキズなどを写真で残しておくことが有効とされています。
撮影するときは、次のような場所を意識すると安心です。
- 壁・床のキズや汚れ(日付がわかる形で保存)
- 水まわり(キッチン・浴室・洗面台・トイレ)
- 建具(ドア・ふすま・網戸など)の状態
- エアコンや給湯器などの設備
3. 退去時は立ち会いで一緒に確認する
退去時は、借主さまと管理会社などが一緒にお部屋を確認するのが基本です。入居時の写真やチェックリストと見比べながら確認すると、話がスムーズに進みやすくなります。
また、解約の予告期間は契約によって異なりますので、住み替えを考え始めたら早めに契約書をご確認ください。
★ まとめ
原状回復は「入居時の状態に完全に戻すこと」ではなく、通常の使用を超えて傷めてしまった部分を修繕するという考え方が基本です。経年変化や通常損耗は家賃に含まれると考えられており、経過年数も考慮されます。
そして何より大切なのは、契約時の特約確認と、入居時の記録です。この2つを押さえておくだけで、退去時の不安はぐっと小さくなります。
吹田市でお部屋をお探しの方は、ミライズ吹田店へご相談ください。ご希望の条件をじっくりお伺いしたうえで、契約内容のご説明から新生活のスタートまで、スタッフが丁寧にサポートいたします。






